ー注文住宅の外壁素材の選び方を解説ー
2024.4.19
注文住宅を計画する際、外壁の選定は重要な決断の一つです。多くの選択肢から色や素材を選ぶことは、簡単ではありません。
この記事では、注文住宅の外壁に最適な素材や色の選び方についてご紹介します。
注文住宅の外壁素材を選ぶポイント
注文住宅の外壁素材の選定においてはデザイン、機能性、予算の3つの観点から選ぶことが重要です。
それぞれの選び方を具体的に見てみましょう。
デザイン
家の見た目を大きく左右する外壁のデザインは、家全体の印象を形成します。
周囲の景観や屋根、窓枠やドアとの調和を考えて、家族の好みに合ったデザインを選ぶことが大切です。
効果的な外観コーディネートを実現するためには、主要な建築要素との調和を意識しましょう。
スペック
外壁材の性能は、耐久性や保守の容易さに大きく影響します。
長期にわたって性能を保つためには、耐候性や保温性など、素材特有の特性を理解することが不可欠です。
また、将来的なメンテナンスの頻度やコストも考慮して選ぶとよいでしょう。
価格
外壁素材のコストは、直接的な購入費用だけでなく、設置や将来のメンテナンスコストも含めて評価する必要があります。
予算内で最適な素材を選ぶためには、全体的なコストを考慮し、必要に応じて素材を組み合わせたり、特定のエリアに高価な素材を使ったりなどの工夫が効果的です。
注文住宅に適した定番の外壁素材
定番といえる外壁素材を3種類ご紹介します。
サイディング
サイディングはプレハブ板材で、幅広いデザインや耐候性で注目されています。
特に金属製サイディングは軽量で断熱性や防音性に優れ、多様なバリエーションで人気があります。
木質系サイディングは天然木の質感を活かした外観で、高級感を与える反面、定期的なメンテナンスが必要です。初期費用と維持費が高くなるでしょう。
窯業系サイディングは、耐火性や耐震性が高くメンテナンスが容易な点が魅力です。
ガルバリウム鋼板
耐久性に優れたガルバリウム鋼板は、長寿命でメンテナンス費用が低いため経済的です。
軽量性と強度で、耐震性が求められる地域にも適しています。モダンな外観を好む方に特に推奨される素材です。
モルタル
モルタルはセメントと砂を混合したクラシックな素材で、手作業での施工が一般的です。デザインの自由度が非常に高く、滑らかな仕上がりから粗面仕上げまで、多様な表現ができます。
耐久性とメンテナンスの容易さも兼ね備えていますが、施工には専門的な技術が要求されます。
注文住宅において機能性やデザイン性を重視したハイグレード外壁素材
機能性やデザイン性を重視する人に選ばれることが多い、ハイグレードの外壁素材を紹介します。
ALC
ALCは軽量気泡コンクリートと呼ばれ、素材の軽さが特徴的です。
一般的なコンクリートと比べると約4分の1の重量で、耐震性を重視する人に選ばれています。
耐震性だけでなく、耐久性や防火性、断熱性にもすぐれた高機能な外壁素材です。
耐久性の高さが大きなポイントで、約50年は貼り替える必要がありません。
ただし、吸水性が高いため、外壁表面を保護するための定期的なメンテナンスが必要です。
タイル
タイルは土や石などを高温で焼き上げた素材で、バツグンの硬さを誇ります。
そのため、耐久性の強さは圧倒的で定期的なメンテナンスは不要です。
多くの外壁素材が定期的なメンテナンスを必要とする原因は、吸水ですが、タイルはほとんど吸水しません。
漆喰
漆喰は石炭が素材で、日本建築の本漆喰のほか、西洋漆喰などさまざまな種類があります。
西洋漆喰はスペインやフランスを中心としたヨーロッパテイストの外壁を実現でき、注文住宅で人気です。
施工は職人の手作業のため、凹凸の模様は自在に調整できます。また、素材のなかに、ガラスや石を混ぜることもでき、オリジナリティあふれる外壁が魅力です。
漆喰の大きなメリットには、防火性の高さがあります。
漆喰は不燃材料として分類され、周辺で火災が起きた場合に、延焼のリスクを抑えられるでしょう。
羽目板
羽目板は、スギやヒノキなどの板を並べて、外壁に貼り合わせます。
自然の木が素材となっているため、ナチュラルな風合いと温かみのある仕上がりが特徴です。
経年による木の変化も味わいがあり、劣化ではなく成長ととらえられます。
耐久性が羽目板の大きなメリットです。
定期的にメンテナンスをすれば、約100年もちます。メンテナンスは3~5年ごとに必要で、タイミングは温度や湿度によって異なります。
家や外壁にこだわりたい人に向いている素材といえるでしょう。
注文住宅の外壁は色選びも重要な役割を担う
注文住宅の外壁選びでは、色の選定が重要な役割を担います。
小規模なサンプルで選ぶ際には、実際の建物と異なる印象を受ける可能性があります。
もし可能であれば、実際に同じ色を使用している住宅を訪問し、具体的なイメージを持つことが望ましいです。
さらに、家のスタイルに適した色を選ぶことは重要ですが、周囲の景観と調和する色選びも考慮する必要があります。
周辺と異なる派手な色は、空き巣などの犯罪に狙われやすくなるリスクもあるため、防犯面でも注意が必要です。
家族の好み、家のデザイン、そして周囲の環境を総合的に考慮し、最も適した色を選定しましょう。
まとめ
注文住宅の外壁を選ぶ際には、バランス感覚が重要です。デザインの好みはもちろん、性能やコストのバランスも検討することが必要です。
外壁材や色の選び方には多種多様なオプションが存在します。
選定プロセスは、利用可能なオプションを知ることから始まり、好みや予算、そして期待される性能を照らし合わせて決定します。
コスト面では、初期投資だけでなく、将来的なメンテナンス費用も考慮に入れることが大切です。
初期費用が低い材料でもメンテナンスが頻繁に必要な場合は、トータルのコストが高くなることがあります。
外壁の材質や色によって住宅の印象は大きく変わりますので、選び方には慎重になり、満足のいく注文住宅を目指しましょう。
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